かってに介護Q&A)福祉用具を知りたい!その1 車椅子って安全?
Q)車椅子って安全?
A)もちろんです(ただし、適切に使えば)
今週からは福祉用具について説明していきたいと思います。
最初は車椅子!
車椅子って、見かけたことはあるけど、使ったことはない人が大半ではないかと思います。介護施設ではもう当たり前の様にあちこちで見かける車椅子ですが、介護職員の中にも、座ったことがない人もいるとかいないとか。
そんな車椅子ですが、今は色々な種類があるので、まずは主な種類から紹介していきますね。
●一般の車椅子
一般の車椅子には自走式、介助式という2種類があります。
自走式は使用する方が手動で操作する車椅子です。ハンドリムというタイヤの外側に付いている輪を手で漕ぐことで走行します。高齢者の方でも、このハンドリムを器用に動かしてスイスイと移動する方がいて、まさに「車椅子との一体感!」って感じ。
介助式はハンドリムが付いておらず、介助者が押して操作するタイプのものです。介護施設の車椅子といえば多くの人が思い浮かべるであろう車椅子がこれですね。背もたれの上にハンドグリップが付いており、そこに自転車のブレーキと同じような握るタイプのブレーキが付いています。ハンドリムが付いていない分、幅がコンパクト、折りたたんで持ち運びしやすいように車輪が小さいのが特徴です。
●リクライニング車椅子
背もたれの傾斜角度を変える機能が付いたリクライニングタイプは長時間の座位姿勢が取りにくい方のための背もたれが長いタイプです。背もたれを倒した時に同時に脚の位置も上がると姿勢が楽になる為、脚部の調整も可能になっています。ズバリ言うならなんらかの障害とか病気を持っている方用の車椅子です。
●競技用車椅子
スポーツ種目にあった特徴を持つタイプのものです。競技中に倒れにくい工夫や、ぶつかり合った時に防御する機能が備わっています。普通の車椅子との違いは車輪がハの字になっている、角度がある事で旋回でき競技中の細かい動きをサポートします。特注でその人に合った「スペシャル」という感じで、おしゃれ感もあるんですよね。私はこのタイプには乗ったことがありませんが、自転車が好きな人曰く、「こだわりがよくわかる」とのこと。そうなんでしょうね。
●電動車椅子
車椅子に電動機が備わっているものを電動車椅子と呼びます。
こちらも介助式と自操式に分かれます。
自操式は使用者がジョイスティックやハンドルを操作して利用する電動車椅子です。標準形、ハンドル形、簡易形、座位変形型、特殊型とタイプがあり、標準型、ハンドル型、簡易型が多く利用されています。標準型というのはジョイスティックレバーで操作を行うもの、ハンドル型はシニアカーや電動カートと呼ばれることが多い電動車椅子でハンドルで操作を行います。簡易型は手動の車椅子に電動ユニットを付けた電動車椅子で、操作はジョイスティックレバーで行うものが大半です。免許は不要ですし、歩行者とみなされ歩行を走行できます。
札幌の街中や、地下歩行空間などをスイスイ移動する電動車椅子をよく見かけます。これは私だけの感想なのかもしれませんが、電動車椅子はその大半が「若い方が使用している」感じです。高齢者で電動車椅子を利用しているのは、まだ見たことがありません。
さて、たとえば介護職員の研修や、あるいは介護施設で実際に車椅子に乗って体験してみることがあるのですが、乗ってみてわかるのは、案外危ないものだということ。特に「一時的に足腰が弱って車椅子」という方は、車椅子の使用で怪我をすることがあるのです。
どういうことかというと、車椅子から立ちあがろうとするのですよ。そしてその時に転んでしまうのです。
車椅子にはフットレストという足を載せておく部分があるのですが、慣れてないと、その部分に足を乗せたままで立ち上がってしまうのです。するとどうなるかというと、車椅子のバランスが崩れて転んでしまうのです。
じゃあ足はフットレストに載せないで床とか地面とかに置いておけばいいじゃん!となりがちですが、すると今度は車椅子を押した時に足が引っかかって、やっぱり転倒したり、あるいは足を捻ったりしてしまうのです。
また、車椅子のままハイエースなどの車に乗って送迎することもよくあるのですが、一度体験してみてください。ものすごく揺れます。車椅子をちゃんと固定していても、シートベルトをしていても、もう、ぐわんぐわんって感じで揺れます。私は20分もしたら吐きそうになりました。
それ以後は車の運転を注意しようと思ったものです。
また、車椅子はどうしても長時間座ることになるので、地味に体への負担も大きいです。なので各自が自分に合う様に座面を調整していることも多いですね。
さて、どうしても車椅子が必要となった場合、お値段が気になる方もいるかと思いますが、高齢の方の場合はまずケアマネに相談してください。福祉用具はレンタルもできるのです。場合によっては特注となる場合もあるので一概には言えませんが、長く使うことが見込まれる場合は、ケアマネを通してしっかり検討してからでも遅くはありません。
なるべく快適に使って、なるべく負担のない車椅子生活を過ごしたいでしょうから。
さて、車椅子の紹介はこんな感じです。次回は歩行器について説明してみたいと思います。