かってに介護Q&A)介護の現場ではどんな感染対策をしているの?あるいはしすぎているの?

Q)介護の現場ではどんな感染対策をしているの?
A)できることをしています。いや、しすぎているのかもしれません。

  

介護施設関連でのクラスター、集団感染があちこちで発生していますよね。

そしてそういうニュースを見ていると「ちゃんと対策してるの?」と疑う人もいるのかもしれません。

私自身は正直「介護現場的にはちょっと騒ぎすぎ」だと思っています。

なぜかというと「少なくとも介護現場は危機的状況とは程遠い」からです。

誤解をおそれずに書くなら「インフルエンザの方がよっぽど多くの方が亡くなってました」。介護の仕事をして10年以上経ちますが、毎年のようにインフルエンザが元で亡くなる方が出てましたし、実際インフルエンザで重病化して入院してそれっきり帰ってこないなんてことも多かったです。

そもそも、毎年インフルエンザの季節になると、職員はもう徹底して手洗いうがいにマスクでした。何も武漢肺炎が流行ってから手洗いうがいにマスクだったのではなく、介護の現場では(特に冬は)もうずっと手洗いうがいにマスクだったのです。

インフルの季節になると、市役所からも通達が来るし、みんなも防御している、マスクや消毒液のストックを気にして右往左往する、インフルエンザワクチンはどこの病院なら必要数が手に入るのかとヤキモキし、そして介護施設への立ち入り禁止でした。

それでもインフルは猛威を振るい、そして大変なことになってたのです。今の基準で言うなら、まさにずっと緊急事態でしたよ。

前年からのこの武漢肺炎で、初期に札幌で大規模なクラスターが起きて以後、コロナという言葉だけが一人歩きしてしまった感があると私は思います。PCR検査を受けたという話は聞けど、入院した、亡くなったという話はもうずっと聞いていません。

医療の現場は知らないので何も言えませんが、私の知ってる限りの介護の現場では、今のこの状況は、むしろ

例年より遥かに落ち着いている

としか思えないですね。インフルの時の方がよっぽど戦々恐々としてました。だって実際に利用者入居者が病院にどんどん運ばれていくのだから。そして帰ってこないのだから。

  

ここまで書きましたが、だからといって、じゃあ楽観視して何もしてないというわけではなく、今回のこの武漢肺炎に対しても、対策はそれぞれの事業所でしっかりと行っていますし、そうしているはずです。なぜなら流行病に優劣なんてないから。では具体的にはどんな対策をしているのか、私の知ってる範囲で書くなら

1)換気

寒い北海道での換気は身に染みますが、1時間おきにしっかり換気しているなんてところもあります。実は私の職場なのですが。笑
もう本当に寒くて、利用者の方はみな一斉に不機嫌になってしまいます。正直私だって嫌ですが、とにかくしっかりと実施。

とある職員から聞いたのですが、札幌では地下鉄の車両も換気しっぱなしだそうで、なんで通勤時まで寒い思いをしないとならないの?と怒ってました。笑

2)消毒

朝と夕方にしっかりと実施しているところが多いのではないでしょうか?私の職場もそうです。おかげさまで業務量が増え、出勤はいつもより早く、帰りもいつもより遅くなりました。レクの際に、使用した道具を消毒、カラオケは原則禁止だけど、どうしてもという場合はマイクを都度都度消毒、などなど、とにかく触るもの皆消毒というところもあるそうです。

場所によっては空気清浄機に大金を叩いて、殺菌効果が手術室なみというレベルの事業所も。

3)飛沫対策

各テーブルにパーテーションを置いている事業所もあるようです。もちろん毎日消毒。社長自ら先頭に立って消毒している事業所もあるそうです。テーブルには対面で座らせないといった徹底ぶりを発揮している事業所もあれば、そこは普段通りという事業所もあるようです。

4)ソーシャルディスタンス

3密に関してはどの事業所であっても実践はとても難しいです。例えばデイサービスの場合だと、利用者一人につきどの程度の床面積が必要なのかというような基準が決まっています。それを元にフロアの広さも決まっていて、その中に集まらないとならないからです。さらにはどうしても身体介助があるのでして、となるとほぼ確実に体は密着してしまいます。耳の遠い難聴の方には近づいて話すなんてこともあるし、入浴介助の際に「勝手に一人でやって」というわけにはいかないのです。そもそも介助不要なら介護なんて必要ありません。

5)マスク

職員は100%つけています。もはや義務です。つけないと勤務させないはずです。前述しましたが、今回だけではなく、もうずっとそうなのです。数々の感染症と戦ってきた介護現場なので、極めて当然のこと。

ただし武漢肺炎以後はマスクがオシャレになりました。それまではみんなただの白い不織布マスクでした。何であれおしゃれはいいと思います。気分が違いますから。私はマスクにはちょっとしたこだわりがあって、本当にあれこれ試し、そして今はなんの変哲もない不織布マスクに戻ってしまいました。笑

利用者や入居者の方はどうかというと、正直、マスクをするしないは半々に分かれている感じです。つけてもすぐに外す人もいます。インフルの時もそうでしたし、強制したらいいというものでもないので、その辺は自由にさせているところも多いようです。

  

あくまでも私の知ってる範囲での話でしたが、感染対策はやはりしっかりとされています。その現場でできる範囲のことを最大限にしています。前述しましたが、インフルの頃からもうずっとやれることをやっていますし、今もしています。

だから、対策をしないからクラスターになるというのは誤解です。どれだけしてもやはりどこかに漏れがある場合はある。

もちろんあってはならないのでしょうけど、少なくともやれる範囲で最大限の努力をしているのです。

というか、ひょっとしてやりすぎてる?

だって、インフルエンザのことなんて全く聞かないし、ノロの話も聞かないし。

そもそも去年末から今に至るも私の職場にはまだ救急車が1度も来てないのです。

ある意味、一番の驚きです。

 

 

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