ござる介護ニュース)厚労省「利用者が自宅で入れるように」と崇高な理念を発表

通所の入浴介助加算、新要件を通知 厚労省「利用者が自宅で入れるように」
https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-03-19-2.html

私が間違っているのかもしれないのですが、そもそも

利用者が自宅で入浴できないから、プランを立てて通所(デイサービス)などで入浴する

ってことじゃないかと思うのです。

入浴するっていうのは、実はかなり大変なことで、ざっとあげるだけでも

・入浴前の体調管理
(そもそも入れるのかどうか)
・脱衣室と浴室の温度差
(ヒートショック)
・湯船の高さや容積
(またいで入れるか、溺れないか)
・床の滑りやすさ
(転倒リスク)
・お湯の温度
(体への負担)
・体を洗える範囲
(一人で洗えるか)
・入浴後の体調管理
(脱水、貧血など)

若いうちなら多少無理しても問題ないし、若い人が上記を考えることなんてまずないと思うのですが、高齢者の場合は最低限でも上記を考える必要が出てくるのです。実際に上記の何かを怠ったことで病気になった怪我をしたあるいは亡くなったなどということが起きますし起きています。私も経験したことがあります。だから怖い。だから考えないとならないのです。

そのほかにもその人特有の条件などがあったりして、入浴というのは本当に大変なことなのです。

それに批判承知で書くのですが、自宅で入浴することができなくなった方は、やっぱりもう入れないと思います。入れないからデイサービスを利用するのです。

訪問介護で入浴サービスを受けるという方法があるのに、それをしない(あるいはできない)。それは自宅ではもう入れないということなのでは?

  

理念を持つことは大事だとは思いますが、現実は理念の通りになりません。

そして理念は役に立たないことの方が圧倒的に多いんじゃないかと思うのですが、私が間違っているのかもしれませんね。

ぶっちゃけますが、これからも現場では当初の加算の手続きで面倒になること以外は、淡々とこれまで通りの流れでの入浴になると思います。大規模な自宅回収でもしない限りは入浴なんて無理!一人で入れないから無理!日中は仕事で忙しくて面倒見れないから無理!

現実は厳しいです。

  

 

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