かってに介護Q&A)介護士がやっていいことダメなことってなに?

Q)介護士がやっていいことダメなことってなに?
A)一言で言えるほどの能力が私にはありません
介護の仕事というのは、基本的には
介護を必要とする方に対して介護サービスを行うこと
です。これが全てです。介護の必要のない方に介護サービスを行うのは時間の無駄だし、能力の無駄だし、結果として相手にも迷惑でしかありません。なので、介護サービスはあくまでも介護の必要な方に対してのみ行うのですが、その際に
やっていいことと悪いこと
という線引きは当然あります。ありますが、この線引きはちょっと難しくて、だからこそのトラブルも割とよくあります。
訪問介護サービスを例にあげると、制度上は
介護サービスを必要とされる方の部屋などの掃除を行い、同居家族がいる場合には家族の共有スペース、例えば居間などの掃除はしてはならない
というような決まりがあります。これは当然のことであって、上記に書いた通り、そもそも介護サービスは
介護を必要とする方に対して行うこと
が基本だからです。そのための介護保険なのだし。
しかし、例えば利用者の方の部屋を掃除していたら「実は居間もちょっと汚れてて、せっかくだからついでに掃除してくれないかい?」などと気軽に言われたり、あるいは利用者と仲良くなってしまってついつい軽い気持ちで「大変でしょ?ついでだからここも掃除しとくね」などと言って居間も掃除してしまう。
するとどうなるのか?というと、例えば
・前もしてくれたんだから今回もしてくれないかい?
・ちょっとぐらいしてくれてもいいじゃない
などとどんどん要求がエスカレートしていき、
・なんで今回はしてくれないの?
・前の人はしてくれたのにあんたはしてくれないの?
などとなり、挙句には
・お金がなくなった、ものがなくなった
なんてことにもなりかねません。また訪問介護に男性職員が行った時などは
・変なことされた!
なんてことにもなりかねないのです。介護の職場で働く人は基本的には善意があって、だから困ってる人を助けたいという気持ちがある一方で、こういう言い方は申し訳ないのですが「お手伝いさん」的な発想もあったりします。だから気軽に「いいですよ」「しますよ」「今回だけですよ」なんて言いがち。
けど、それは介護の現場ではNGなのです。
こんな話を聞いたことがあります。
・利用者の方から食器洗いを頼まれた際に、その食器がどう考えても多すぎで、明らかに家族の使った食器も混じっている
・利用者のための料理作りの際、どう考えても頼まれた分量が多すぎる
利用者の側でも職員を「便利なお手伝いさん」だと認識しているのですね。
現場で働いている職員の方に対して上から目線ですみませんが、私たちはまずは「介護のプロ」で、できることできないことはありますと、何度も宣言しなければならないと思います。最初だけ宣言しても忘れちゃうことが多いので、その都度、できることできないことを宣言しなければいけないのです。
1度でもいいよわかったよやってあげるよなんて軽い気持ちで振る舞うのはNGです。なぜなら、一度でもやってしまったら相手は「次もやってくれる」になってしまうのです。
そういう意味では介護士がやってはいけないことは
安請負
ですね。これは絶対にしてはいけないことでしょう。できること、できないことが色々規定されているのです。だからまずはこれはできます、これはできませんとはっきり宣言し、できないことはいくら頼まれてもやらない。これが大事だと思います。
ケチだとか冷たい人だとか言われても仕方ないと割り切るしかないのです。