デイサービスで日々行われている「老化の速度競争」
自分はまだまだ元気なんだ!
どこも悪いところないし!
まだまだ自分でなんでもできる!
気持ちはわかるような気がします。同年代ではないので、「わかる!」などと断言はできないです。
個人的な意見ですが、おおまかに言うと、「自分はもうダメだから早くお迎えがきて欲しい」という高齢者と「まだまだ生きていたい」という高齢者に分かれるような気がします。言い方を変えるとマイナス思考の方とプラス思考の方。
どちらの生き方がいいとか悪いとか言うつもりはありません。長生きして体がへこたれてきたら、私だって今のものの考え方がころっと変わるかもしれないし。
例えば私は入れ歯なんて絶対嫌ですが、けど、案外80歳くらいで総入れ歯になってるかもしれないのです。そうならないように歯の手入れには気を付けているし、定期検診もしっかり通っていますが、世の中何がどうなるかなんてわかりません。
デイサービスには「高齢の自分と比較できる」相手がたくさん来ています。だから、意識的か無意識的かはさておき、皆さん、周りの人の振りをしっかりと見ています。そして「あの人はああだ」「この人はこうだ」と比較しています。口には出さずとも、「あんなに体悪くて可哀想」とか「私はああはなりたくない」とか思っています。
私はできるから(あの人の面倒を見てあげて)
というアピールをする方もいます。もちろん優しさもあるのですが、自分はまだ健康というプライドのようなものもあることは間違いありません。そのプライドは悪いことではないのです。健康なのはいいことですから。
どうしても体は歳と共に衰えていきます。速度が違うだけで、全員がこの老化からは逃れられません。歳を取ると、この老化の速度競争に嫌でも参加することになるのです。
あの人は遅い
あの人は早い
と。もちろんなるべく遅い方がいいという、ある意味不思議な競争ですが。