恐れていたデイサービス自粛の影響
親だけど、家族だけど、育ててもらった恩もあるけど……
けど……
やっぱり辛いものは辛いのです。
親の面倒を見るのは辛いのです。親なんだから、家族なんだから、恩があるから
面倒見るべき!
という綺麗事は、まずは自分が親の面倒を見てから言うべきだし、仮に面倒を見ているからと言って
あなたもすべき!
と人に主義主張を押し付けるのもどうかと思います。
介護疲れで親をあやめてしまうという悲しい事件は都度都度ニュースになっていますし、老老介護という言葉も言われています。多くの人が想像する以上に介護は大変だし辛い。だからこそ私たちプロがいるのだし。
そうそう。話のついでですが、よく「介護なんて誰でも出来る」的な侮蔑にも似たことが言われていますよね。職に困ったら介護があるみたいな。多くの人はそう思っているのかもしれません。じゃああんたやってみてよ!とは言いませんが、昔と違い、今は「無資格の人や初心や基礎研修程度の人」が簡単に職にありつけるほどの気やすさではないかもしれませんよとは言いたいです。
確かに常に人不足だし、だから介護業界は「渡鳥さん」や「シャッフル状態」だったりもしますが、徐々に求人のハードルは高くなっています。
近いうちに「誰でもなれるお気軽な仕事」ではなくなるかもしれませんよ。
話を戻して、介護の大事な側面の一つに「レスパイトケア」というものがあります。介護サービスを受けることで、家族の介護疲れや介護負担を減らすというものです。適切に介護サービスを利用すれば、悲しい事件も減るだろうし、いい意味で家族の関係も良好になっていきます。親の面倒は自分が見るというのは立派ですが、無理は禁物。あるものを適度に利用して負担を減らして欲しい。私たち介護のプロはそのためにいます。
ところで、最近の自粛で、介護サービスを受けられない方は大変困っているのではないでしょうか?入浴、食事、排泄コントロール、睡眠。当たり前に出来ることが高齢者には難しい。そんな高齢者が同じ家にずっと一緒にいるのは大変です。誰も悪くないのに、家族間が険悪になってしまったりします。
自粛期間中は虐待やDVの件数が増えたという話もあるのですが、高齢者の家族介護は、これはこれで問題になっているはずです。そして、あまりに辛い状況下で介護サービスが受けられないのなら、介護サービスを受けられるところを新たに探す!となるのはこれはとても当たり前のことです。
そういう状況が増えているという話を聞きました。
これは家族にとっては慣れ親しんだサービスを替えるという辛い選択だし、施設としても大打撃であることは間違いありません。利用者の減少は即収入の低下だからです。
この状況でも介護業界は休みなく動いてはいますが、だから経営が安定しているかというと、決してそうではないのです。むしろどんな時でも気が抜けないのが介護。
そして、利用者の方と親しくなっても、こういう別れがあるのも介護なんです。