かってに介護Q&A)認知症の周辺症状って?その3 暴力
Q)なぜ暴力になるのですか?
A)感情のコントロールが効かなくなるからです
認知症の方が、暴力や、あるいは暴力には至らないけれどもものすごく興奮したり、はたまた暴言を吐いたりすることがあります。また、それに伴って介護拒否をすることがあります。
その原因は脳にあって、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症といった認知症の全ては、脳が萎縮したり損傷したりして機能がおかしくなることで発症するのです。
そして萎縮したり損傷したりしているので、例えば感情をコントロールする部分である前頭葉がダメージを受けると、感情が抑えにくくなってしまうのです。本当に些細なことで突然激怒する方もいて、例えば食後のうがい時に、うがいを終えた方が
「あれ?俺のマスク何処にいった?」
「〇〇さん自分自身で食事前にポケットにしまいましたよ」
「そんなわけあるかー!この馬鹿者!お前らはいつも人のせいにしてこの俺を馬鹿にして$#$%&&"!」
実際にはマスクはちゃんとポケットに入っているのです。
ご本人にとって理解が困難な状況におかれ、尊厳が傷つけられたと感じたことでそうなったのかもしれません。
また、介護拒否を例にあげていきますと
ご飯を食べない
お風呂に誘うと怒り出す
声をかけても知らんぷり
こういう場面が介護現場ではよくあります。本人にとって何か拒否をしたい理由が隠れているのですが、理由はそう簡単にはわからなかったりします。
身体的な不快感や疲れ等が原因の場合もありますし、職員のちょっとした言葉の使い方が嫌だったりだとか、あるいは男性(女性)職員だから嫌!なんてこともあります。
いずれにしても、認知症なので、記憶は長くは続きません。なので、焦りは禁物。無理に押し通さずに少し時間を空けてみたり、職員を変えて対応することでうまく行くケースもあります。
問題を解決しようとするのではなく、無理をせずに「なるようになる」ぐらいの気持ちが大事だし大切だと思います。