かってに介護Q&A)認知症の周辺症状って?その2 徘徊
Q)なぜ徘徊するのですか?
A)本人にしかわからない理由あってのことです
前回のものとられ妄想が主に女性に多かったことに対して、この徘徊は男女の別なしにこれまたよくある認知症の周辺症状です。
側から見ていると、
・目的もなくただうろついている
ように思われがちですが、実は本人にとっては、かなり明確な目的があることが多いです。
よくあるのが「家に帰る」ということで、しかしご本人の住んでおられた家はとっくに取り壊されていたりしていて、今はないその家に、けど本人は帰りたいのです。帰りたいからフラーっと歩き続けるのです。
同様に、スーパーに行こうとして道がわからずに歩き続けたり、何かを探そうとしてうろうろしたり。
けれど、本人の意思表示がうまくできないために、徘徊しているのだと思われちゃうのです。
私としては、ちょっと切ない感じがします。かわいそうだなぁって思っちゃいます。けど、そこは介護のプロとして、対処しなければなりません。
対処法としては、ものとられ妄想の時にも書きましたが、
・相手の話を肯定も否定もせずに聞く
ことが大事です。そしてできることなら、気を上手に逸らすことも大事です。
「今日はもう遅いので、明日にしませんか?」
「家族の方に連絡してみますね」
もちろん、その方にあった対処法があるので、教科書通りにするのではなく
「もう家はないので、帰れませんよ」
とはっきり言う方が効果的な方だっていますが、いずれにしても、方法の前にまずは原因を知ること。これが一番大事で、原因さえわかれば、対処法も決まってくるのです。