かってに介護Q&A)介護保険サービスってなに?その3 ケアマネっていうのが分かりませんが、何をしている人なの?

Q)ケアマネっていうのが分かりませんが、何をしている人なの?
A)介護サービスになくてはならない人なのです
前回、介護保険証を手に入れて、さあようやく介護サービスを受けるぞーおー!ちょっと待ったぁーまで書いたのですが、介護区分が決まって、保険証も受け取って、次に何をするのかというと、実はここが最も大事なところとも言えるのですが、ケアマネージャーを探さないとならないのです。
探す?
誰を?
ケアマネってそもそもなに?
となるのは当然のことですよね。そこで今回は、ケアマネについて書いてみたいと思います。
とはいえ、私はまだ去年からケアマネになったばかりの新人なので、まだまだ知らないことを多いので、あくまでも知ってる範囲で書きたいと思います。
というわけでまずは試験を受ける前から書くと、どんな人がケアマネになれるかというと…
とか書いていたら無駄に長くなってしまうので省略。今回必要なところだけを書きますね。
ケアマネというのは正式には
ケアマネージャー
と言い、日本語では
介護支援専門員
と言います。介護現場ではケアマネと言われています。ちなみにケアマネは事業所に所属することになっていて、その事業所は居宅介護支援事業所(通称「居宅」)と言われています(注1)。「あのケアマネさん話早いわよねー」とか「あそこの居宅はちゃんとしてるわよねー」とかいうような感じで使います。一人で事務所を構えている人もいれば、介護事業所に雇われている方もいます。介護の現場で働くケアマネもいます。いずれにしてもケアマネの所属している事業所は必ず居宅介護支援事業所を名乗らないとならないので、名称は必ず〇〇居宅介護支援事業所となります。ケアマネさんから名刺をもらった際によく見ると、〇〇居宅介護支援事業所のほかに事業所番号があるので、それで確認してください。それらがない場合は違法となります。
さて、このケアマネですが、実は介護保険を利用した介護サービスを受ける場合は、
絶対に欠かせない!
人物です。それはなぜかというと、ケアマネの最大の仕事は
どのような介護サービスを行うかを決める
からです。今風に言うなら、介護サービスを受けたい人と介護事業所のマッチングを行う。これがケアマネの仕事なのです。しかもそのマッチングをある種”絶対的な権限”でもって行うのです。
例えば自宅で入浴できなくなってしまった方が介護サービスを受ける場合、受けたい側の情報やニーズを把握して、それを元にどのような介護サービスをするのかを計画し、どこの事業者なら適切なサービスを提供できるか選択し、そして実際の介護サービスを評価する。まとめるとこうなります
面接(アセスメント、なお初回の面接はインテークと言う)
介護サービスを計画(ケアプラン)
評価(モニタリング)
計画の見直し(ケアプラン再確認)
という流れです。
これをケアマネが実質一人で行っています。こういう書き方はちょっとあれかもしれませんが、介護サービスの頂点に君臨しているのがケアマネなのです。もちろんそれだけの知識と経験を要するので、最近では資格取得が年々難しくなっているようです。私も実は1度試験に落ちています。
頂点に君臨などと書きましたが、実際には調整役なので、あちらにペコペコ、こちらにヘコヘコです。笑
権限は絶大なのですが、だからこそ色々な意見を聞いて、きめ細かなサービスが行われるように腐心する。それがケアマネなのです。私なんて一時期、痩せてしまって…苦笑
長くなりました。今回はもう少しです。
介護サービスを受けるためにはケアマネを決めなければなりません。
ではどうやって決めるのかというと、一般的には役所から自宅付近の居宅支援事業所の一覧リストを渡されて、その中から選んで連絡を入れる、連絡を受けたケアマネが面談に行くという形になります。役所から「あなたにはこのケアマネがふさわしい!」などと指定されることはなく、あくまでも自分たちで選ぶ形になります。もちろんリストには顔写真とか評判とかは記載されていません。なのにいきなり選べと言われても判断がつきませんよね。
本当なら、ここで「こんなケアマネは選んじゃだめ!」的なことを書けたらいいのですが(業界への忖度ではなく)ちょっとそれは難しいです。なぜなら、結局は
人間関係
なのでして、馬が合うかどうかだからです。ネットの評判も、あくまでも私の意見ですが、あまりあてにはなりません。特定のケアマネで嫌な思いをした人はここぞとばかりに自分の気持ちを吐き出すので、どうしても辛辣な言葉が並んだりするのですが、その背後には「納得している方」も大勢います。ケアマネは多くの場合、一人で30人以上の利用者を抱えています。30人全員が満足した介護サービスを受けられたら最高ですが、中にはどうしても困難な事例だってあるのです。しかし嫌な思いをしたら、そりゃあ怒りたくもなることでしょう。
なので、「こんなケアマネは選んじゃだめ!」的なことは書けないのですが、このケアマネは自分と相性が合うかも!的なポイントだけは書いておきます。ケアマネを選ぶ際にはこちらから居宅介護支援事業所に電話連絡を入れることになるのですが
・電話の受け答え
はやはり大事な要素じゃないでしょうか。その際に「ちゃんと話を聞いてくれるか」はとても大事なポイントです。ちなみに男女比は6:4か7:3程度で女性が多いです。利用者はおばあちゃんなので女性がいいとか、おじいちゃんなので男性のケアマネさんがとかいうことを考えるかもしれませんが、ケアマネはしっかり介護経験を積んでいる方が多いので、そういうことは考えなくても概ね大丈夫です。まずはしっかり話を聞いてくれるケアマネを選んでくださいね。
さて、ケアマネを選びました。
次はどうなる?どうする?
それはもちろん次回のQ&Aでお答えします。
(注1)あくまでも介護認定で要介護認定された場合、要支援の場合は地域包括支援センター(通称「包括」)となります。流れに関しては要介護の方も要支援の方も同じです。