デイサービスの高齢者のアートはものすごく凝ってます!
ただし、こだわりの方向はちょっと違うかもしれませんが。
とにかく皆さん、ほぼ全員が
「見本とそっくり同じにする」
ことに必死。そしてこれも皆さんほぼ全員が
「見本がないと塗れない」
のです。なので、「この色が出ない」「この色は何色?」という感じの疑問が多いのです。たまに思いのままに色を塗る方もいますが、それは認知症の人に多いような気がします。自分の好きな色ではなく、とりあえず塗るという感じでしょうか。
ここまで読んで、なんとなく「マイナス的な感想」を持たれた方もいるかもしれません。けれど、私は、模倣はとても大事なことだと思います。
模倣するための能力は、実は大事なことばかり。正しく色を認識し、正しく色の場所を認識し、正しく色の濃さを認識する。そして手を正確に動かす。どれも大事なことですよね。デイサービスで塗り絵が行われているのにはちゃんと意味があるのです。
ところで、女性は男性よりも多くの色を認識できるそうです。男性には赤にしか見えない色も、女性にはそれは赤だけど、赤とは違う赤だとわかるのです。だから塗り絵一つをとっても、女性の塗り絵の方が確実に鮮やか。
塗り絵を見ていると、その人のなんとなくの状態がわかるような気がします。
男性は、人にもよりますが、何かを付け加えたり、あるいは悪戯描きをする人が多いような印象があります。模倣に対しては女性よりもこだわりがない感じですね。あるいはそもそも塗りたくないという人も多いです。
数年前に流行った大人の塗り絵ですが、そこまでの本格的なものではなく、皆さんも簡単なものから塗り絵をしてみませんか?案外いろいろなことがわかるかもしれませんよ。