夕暮れ症候群

夕暮れ症候群という言葉をご存知でしょうか?馴染みのない人もいることでしょう。初めて聞いたという人もいるかもしれませんね。

簡単に言うなら、午後になると落ち着きがなくなり「どこかへ(←ここが重要)」帰ろうとする認知症にはよくある症状なのです。帰らないまでも、乱暴な言葉や荒っぽい態度になったり、あるいは逆に神経質になったりなど、とにかく普段の様子から変化してしまうのでして、介護の現場では割とよく見かけるものだったりします。

結構深刻なもので、私の聞いた話では、ほんの隙をついてデイを飛び出し、そしてその日のうちに捜索願を出し、翌日に見つかったということがあったそうです。話を聞くと「公園の草っ原で寝て過ごした」と。真冬だったらどうだったことか。ゾッとする話です。

この話のポイントは、その利用者の方の家は取り壊していてなかったという事。そしてそのデイはサ高住併設。つまり利用者の方の家はデイの上の階にあったのです。

そうなんです。自分の住んでいるところに帰りたいのではなく、昔住んでたところに帰りたかったのですよね。

けど、悲しい哉。昔住んでいたところがどこにあるのかわからないのです。もちろん取り壊したことも。

けど、帰りたいんです。

 

 

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