かってに介護Q&A)認知症って薬で治るの? その2
Q)認知症って薬で治るの?
A)前回の続きをどうぞ
前回はちょっと難しいこと書いてしまって、私も実はよくわかってない部分もあったりして、今回もそうなってしまうかもしれません。ご了承ください。
早速おさらいですが、認知症の診断を受けると、
認知症の進行を遅らせるための認知機能改善薬
認知症に伴う精神状態を安定させるための抗精神病薬・睡眠薬
この2種類が処方されることになります。
なんて書いたかと思うのですが、もう少し具体的に見ていきたいと思います。
まずは認知症の進行を遅らせ、症状を抑える認知機能改善薬についてご紹介ですが、認知機能改善薬は名前の通り、認知症によって衰えてしまった認知機能を改善していくための薬です。
この薬を服用することで、認知症の中核症状の進行が抑えられ、初期症状の状態を長く保つことが出来るとされています。
主に2種類あり、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれるものとNMDA受容体拮抗薬がそれです。
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、脳内のアセチルコリンの分解を抑制することで、脳内のアセチルコリンの相対量を増やし、認知症の中核症状の進行を抑えることが期待されています。
NMDA 受容体拮抗薬については、興奮を伝える脳内の伝達物質であるグルタミン酸が過剰になることを抑制し、それにより脳神経の損傷を防ぐことで、認知症の中核症状の進行を遅らせることが期待できます。
NMDA 受容体拮抗薬は、比較的重度の認知症患者にも用いられています。
そのほかに、精神安定目的で使用される薬などもあるのですが、それには主に睡眠薬、漢方、抗不安薬・抗精神病薬などがあります。
睡眠薬は、一般的に処方されるときと同様に、不眠に対して処方されます。
健康な方と同じように、不十分な睡眠は日中の認知機能が低下するなど、日常生活に大きな影響を与えます。認知症の方は、不安などから不眠になることも多々あるので、睡眠薬が処方される機会も多くあります。
しかし、睡眠薬の効きすぎによって、日中に眠気が残ってしまったり、せん妄状態になってしまったりする場合もあるので、服用量や回数は医師としっかりと相談する必要があります。
また、精神安定のために漢方が処方されることもあります。
漢方薬には、気持ちを落ち着かせて不安や妄想を抑える効果がある抑肝散などがあります。私の以前勤めていた施設では、この抑肝散が絶大な威力を発揮していました。けれど、もちろんそれは人それぞれ。万人向けかと問われたなら、わからないとしか言えません。
漢方薬は、西洋医学で用いられる薬よりも作用が穏やかであり、そのため、副作用の心配も少ないという利点がありますので、そういう部分では安心できます。