あったかい介護っていうけど、それって実は生暖かいということ(別名、綺麗事

 

介護の原点は「誰かを助けてあげたい」っていうような善意だったりしませんか?
そしてそれはしばしば「あったかい」などと表現されたりします。

しかし、現実にはそれ相応の時間とお金がないと誰かを助けるなんてことはまずできません。

嘘だと思うならやってみてください。いっときの間なら誰だってできますが、長期的には自分の時間やお金を膨大に使うこととなり、大半の人は挫折しますから。そもそも、家族を介護することだって、とんでもない苦労なのは、昨今の悲惨な事件を見るまでもなく、皆さんにも簡単に想像できるんじゃないでしょうか?

ところで、介護のような世界にお金が絡むと、なぜかそれに対して「綺麗ではない」「卑しい」という発想をする人が出てきます。ボランティアなんて言葉が都合よく使われている世界でもあります。介護は金を稼ぐところではなく、善意によって人を助ける。そういうイメージを持ってる方は案外多いのではないでしょうか?

しかしそういう人は所詮「介護なんて自分には関係ない」なんですよね。自分は将来確実に老いるのだという実感に乏しいのかもしれません。だからそんなものに金なんて・・・と思うのでしょう。正直気持ちはわかります。

でも、現実には大きな力と多くの資金がなければ、人を助けるなんてことはできません。具体的には国や地方の介護行政と民間施設の運転資金です。欧米なら大富豪が莫大な寄付なんてこともありますが、ここは日本。期待はできません。ならばますます国や地方の介護行政と民間施設の力を資金を必要とするのです。権力と金ですね。この言葉は嫌いですか?

気持ちだけでは誰も救えない。そもそも救うってのがすでに暖かくない発想じゃないかなぁ。

そりゃあ、誰だって、あったかい介護をしたいです。やっぱりなんのかんので介護の世界は善意で成り立ってるので。目の前にお風呂に入れずに困ってる高齢者がいたらお風呂に入れてあげたいって思いますから。けど、たったそれだけのことをするために、権力と金がどうしても必要なのです。

それに介護職員だって霞を食べて生きているわけではありません。どうしてもお金は必要なのです。

気持ちと力とお金のバランス。

そのバランスが取れなくなると、あったかいではなく生暖かいになってしまうのです。綺麗事では誰も介護できない。それが事実なのです。

 

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