かってに介護Q&A)高齢者って臭いの?

Q)高齢者って臭いの?
A)ほとんど臭いません
なんとなく老人は臭いというイメージがありませんか?
しかしながら、実際にはほとんど臭いません。ではなぜ臭いと勘違いするのか、というと、その大半は尿臭が原因ではないかと思います。露骨に言うなら「おしっこした後の拭き忘れ」。あるいは「拭くこと自体を忘れてしまう、もしくは面倒くさがる」。そこにこそ介護の必要性があるのであって、言い方を変えるなら、
ちゃんと生活できている高齢者はまず臭わない
です。
え?そういう意味なら誰だってそうじゃない?
と思うかもしれませんが、実はその通りでして、それどころか、むしろ若い(この場合の若いとは、高齢者より若いという意味です)人たちの方がよっぽど臭っているのです。
しかも、高齢者は一週間程度ならお風呂に入らなくても臭いません。
例えば私の知ってる話ですが、その高齢者は1年以上風呂に入ったことがなかったのですが、本当に臭いがしなかったとのこと。その後その高齢者は介護員の努力の甲斐あって1年以上ぶりに入浴したのですが、思ったほどに垢も出ず、肌も思ったほどには汚れず、湯船もそこまで汚れなかったとのこと。
なるほどわかった高齢者はそこまで臭くはないのね。じゃあなぜそこまで臭くないのか?をちょっと勉強。
体臭の主な原因となるのは皮膚から分泌される皮脂や汗ですが、分泌直後は実はほとんど臭わない。じゃあどうして臭うようになるのかというと、皮膚の表面に存在する様々な菌の働きで、皮脂や汗が酸化したり分解される過程で匂いの原因となるガスを出す。こういうメカニズムだとのこと。
この臭いの元は数百種類も存在するそうで、例えばノネナール。
中高年以降に増えてくるこの物質は、これまた年齢とともに増加するパルミトレイン酸という脂肪酸の一種が酸化されたり分解されたりすることで発生するのですが、加齢臭とはまさにこの時の臭いをさす言葉なのですね。
さて、臭いとは「皮脂や汗が元になって」化学反応を起こしてできるもの。
高齢者にはこの化学反応が「ほぼ」ないのです。全くないとは言いませんが、若い人に比べると、体の機能は明らかに衰えていますし、しっかり体を動かすこともないから汗もかかない。皮脂も汗も出ないなら、ガスも出ないのです。
だから臭わない。
実際に私もこの仕事をしていて実感しています。
さて、高齢者は確かに体臭はしません。けど口臭は別です。やっぱり臭い人は臭いです。口臭の原因は食べ物の残渣なので、しっかり食べてかつ歯磨きしないと、そりゃあもう普通に臭いです。これに関しては男女差も年齢差も関係ない感じ。
私も気をつけないとなぁ(苦笑