デイサービスは談話室なのか?
小倉智昭、デイサービスを「食堂に毛が生えたような談話室」 介護従事者から抗議の声も
https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_200008983/
悲しい話ではありますが、一方ではこう考えている方も一定数はいるのではないかと思っています。なぜなら「確かにそう見えなくもない」からです。
デイサービスとは何かという問いに「それなりの答え」をちゃんと持っている方はどれくらいいるのだろうという思いも確かにあります。
なんとなく高齢者の方を集めて、何かしてご飯食べさせて風呂に入れて…
で、それが何?
という漠然とした感覚。
それがいいとか悪いとか言うつもりはないのです。ものを知らない人に私が教えてあげます!なんて気もありません。高齢者の介護というのは、身近なようでいて身近ではないし、関係ない方にはとことん無関係だし、知らないのは当然だと言われたら、そうだよなぁと思います。
そうなんです。介護って、漠然としてるんです。
こそが問題なんでしょうね。
ものすごく乱暴に言うなら、介護とは「世話をすること」だと思っているのかもしれませんね。身の回りの世話です。だから「お手伝いさん」という感じがします。パートで働いている方、資格がないままに介護業界で働いている方にその傾向は顕著です。いわゆるペルパー2級の方にもそういう方がいます。もちろんそうじゃない方もいますが、私のこれまでの経験からすれば、介護=世話というイメージを持ってる方は確実に一定数います。
この「介護=世話」というイメージこそが上記の談話室の根底にあるものなのではないでしょうか?
介護っていうのは世話すること。けど、デイサービスってのはとてもじゃないけど何かの世話しているようには見えない。おむつ交換とか食事の介助とか何もしてない。せいぜいテレビを見て適当に話しをしてる程度じゃない。それなら「誰にでもできる」と。
上記の記事では「子どもの学校」という表現もされているようですが、学校も軽く見られたものだなぁと私は思います。
そもそも、では介護とは何か?
というと、私の答えは「介護はサービス」です。そのサービスで「自分らしく生きる」といえばかっこいいけど、もうちょっと砕いて「できるだけ負担を感じることなく今まで通りに生きる」。これが介護だと私は思っています。
今まで自分でやってきたことを「できるだけその通りに行いたい」けど、それが無理なので「プロにアドバイスをしてもらう」あるいは「手伝ってもらう」のです。するとプロはアイドバイスしたり手助けして、そしてその対価をいただく。まさにサービスです。
サービスというと「無料」というイメージをもたれる方もいるかもしれませんが、サービスって「お客の便宜を図ること」であって、無料って意味ではないのです。引越し業者は一見すれば誰にでもできそうですが、実際にはとても大変なので、大抵の場合は業者を利用することでしょう。介護も同じなのです。
小倉さんは将来介護とは無縁の生活を送るかもしれません。あるいは介護サービスを利用するのかもしれません。どうなるのかはわかりませんが、利用されることになったら、どうぞサービスを受けてください。
もしもデイサービスを利用されることになったら、その時に改めて感想を聞きたいですね。